中国の四大家魚から考えたこと①
最近、暇つぶしでウィキペディアをいろいろと見ていたところ、“四大家魚(よんだいかぎょ)”というワードを見つけました。四大家魚とはアオウオ・ソウギョ・コクレン・ハクレンという魚の総称をいい、古来中国ではこれらの食性を巧みに利用した養魚システムを確立・実施していたそうです。
その養魚システムは食物連鎖を巧みに利用していて、
①草刈りした雑草を池に入れるとそれをソウギョが食べる
②ソウギョのフンをタニシなどの小動物が食べる
③そのタニシなどをアオウオが食べる
④ソウギョ・アオウオの食べ残しやフンで植物プランクトンが育つ
⑤植物プランクトンを動物プランクトンが食べる
⑥植物プランクトンをハクレン、動物プランクトンをコクレンが食べる
というもので、養魚のためのエサを必要としないシステムなのだそうです。そして、こうして育てた魚を食料としていたのです。
この養魚方法は戦後食糧不足に悩んでいた日本でも導入されたのですが、日本の水に馴染めなかったのかうまくいかなかったそうです。少し話はそれますが、ブラックバスやブルーギルなど現在大きな問題となっている外来魚も戦後の食糧難を解決することを目的にして導入されたそうですか、これらがいずれも淡水魚であることは注目するべき点です。
こうした四大家魚の養魚システムをみると、古来中国の人々が各家庭においてさまざまな工夫を凝らして食料となる物を生産していた姿がうかがえます。おそらく、農産物、水産物、畜産物をうまく組み合わせて全体として無駄のない食料生産をしていたのでしょう。こうしたことは中国に限らず、以前は世界のいたるところで当たり前に行われていたことなのではないかと思います。そうした社会では“食料自給率”を現在のような国単位ではなく、家庭単位で考えていたということができると思います。
翻って、現在の日本では食料自給率の低下が恒常的な問題になっています。近頃、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加の是非について世論の注目が集まっていますが、これもひとつには食料自給率のさらなる低下を危惧したものであるといえます。